奥神楽坂は丁寧な暮らしが叶う街-タウン誌編集者のおすすめは?

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石畳や路地裏の料亭、洒落たカフェなどが軒を連ねる「神楽坂」。洗練された風情で魅了する東京きっての観光地です。かつて大物政治家や文豪が足しげく通う花街として名を馳せた神楽坂通り界隈は、いまでは国内外の観光客でにぎわいます。

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「神楽坂と一言でいっても、エリアによって微妙に風情が異なります。最近は、奥神楽坂が暮らしのエリアとしてにわかに浸透しつつあります」

こう教えてくれたのは、神楽坂のタウン誌の編集やウェブマガジン「counterpoint #kagurazaka」運営する石丸桃麻(いしまる とうま)さん。そこで、今回は石丸さんに神楽坂をたっぷり案内してもらいました。

●神楽坂のシンボルといえばココ!「毘沙門天」と「石畳」

まずは、神楽坂について少しご説明しましょう。神楽坂は東京都新宿区の大久保通り交差点から外堀通り交差点まで連なる神楽坂通りを中心に広がる、神楽坂一丁目から六丁目にあたるエリアです。

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メインスポットは何といっても「毘沙門天善国寺」。文禄4年(1595年)に創建され、江戸時代に神楽坂一帯は毘沙門天の門前町として栄えました。

「新宿山ノ手七福神の一つに数えられる毘沙門天は、神楽坂で暮らす人たちにとって守り神のような存在です。門前を通る時に手を合わせている人もたくさん見受けられます。ちなみに、夏目漱石の『坊っちゃん』にも、毘沙門天の縁日の様子が描かれているんですよ」(石丸さん)

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もう一つ、神楽坂らしさを感じる有名な景色といえば、石畳の路地裏です。毘沙門天の向かい側にある狭い路地に入ると、老舗料亭とともに品格のある石畳が現れます。四角い石を扇文様に敷き詰めた石畳を歩けば和情緒に浸れること間違いなし。

ちなみに、この石畳は戦後間もない頃に、花柳界の人々によって敷かれたのだとか。扇は日本舞踊で、艶やかさを表現するために使われる縁起がいい道具。その扇文様を取り入れることで、花柳界発展の祈りを込めたと言い伝えられています。何とも粋なエピソードですね。

●神楽坂上をさらに深く!伝統と新しさが交差する奥神楽坂の不思議な魅力

神楽坂とひとくくりにいっても、そのエリアは「神楽坂上」と「神楽坂下」の2つに大きく分類されます。神楽坂通りと大久保通りの交差点までが「坂上」、外堀通りとの交差点までが「坂下」になります。

「坂上」は東京メトロ東西線神楽坂駅、都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂からアクセスしやすく、「坂下」はJR総武線、東京メトロ有楽町線・南北線・東西線、都営地下鉄大江戸線の飯田橋駅に近くなっています。

ちなみに、「毘沙門天」と「石畳」は坂下に属していますが、今回街歩きをする「奥神楽坂」は坂上からさらに奥まったエリアに当たります。いわゆる表通りから離れた閑静な界隈。

奥神楽坂の最寄り駅は、東京メトロ東西線神楽坂駅。都内の地下鉄各線をはじめ、高田馬場駅で山手線に接続できるので主要駅へのアクセスも良好です。

■東京メトロ東西線神楽坂駅から主要駅への所要時間
新宿駅......8分(高田馬場駅で山手線に乗り換え)
新橋駅......15分(日本橋駅で銀座線に乗り換え)
渋谷駅......16分(九段下駅で半蔵門線に乗り換え)
東京駅......21分(大手町駅で丸ノ内線に乗り換え)
品川駅......29分(高田馬場駅で山手線に乗り換え)
(※乗車時間だけの記載です。乗り換え時間は含みません。ジョルダン乗換案内を参照)

街歩きのスタートは、神楽坂駅の「出口1」から約1分、奥神楽坂の玄関エリアにあたる「赤城神社」から。

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ちなみに、神楽坂という地名の由来は、坂の途中に赤城神社の神楽殿があったからとの説もあるそう。

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700年以上の歴史を持ち、江戸時代には「日枝神社」「神田明神」と並び、「江戸の三社」と称された由緒ある赤城神社。2010年には、建築家の隈研吾さんの手によって、ガラス張りのモダンな拝殿へと生まれ変わりました。

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境内には、本格イタリアンなどが楽しめる「あかぎカフェ」があります。また、定期的にマルシェを開催するなど、街に開いた新しい神社として注目されています。

奥神楽坂には、ほかにも街に開いた社寺があります。たとえば、江戸時代には徳川家の祈祷所となり、大奥ゆかりの寺として知られる「神楽坂圓福寺」。厄除け・開運の力が宿るとされ、祈祷会も盛んに実施されています。

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入り口の看板を見ると、どうやら毎月第1水曜日の夜には、過去の罪を心からお詫びする「サンゲノヨル」なるディープな催しを行なっているよう。21時まで本堂を開放し、仕事帰りに心を清めに訪れる女性も増えているとか。

また、社寺以外の寄り道スポットであり、奥神楽坂のファミリーが集まるのが、「白銀(しろがね)公園」と「あかぎ児童遊園」です。

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「白銀公園は、神楽坂界隈では一番の広い公園です。石の山などの遊具があり、休日はたくさんの親子連れでにぎわっています。また、園内にはサクラやイチョウ、ケヤキなどが植えられ、四季の移ろいを目で見て感じることができます」(石丸さん)

また、密集した住宅街の"スキマ空間"にありながら、突如現れる摩訶不思議な存在感の遊具が目を惹く「あかぎ児童遊園」。

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「巨大な象の滑り台は、どこか哀愁が漂うシュールさ。もはやアートです。坂が多い街ということもあり、高低差を生かすように設計されています。公共の遊具とあって、制作者は不明。ますますミステリアスです」

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お散歩スポットを満喫したところで、神楽坂駅の矢来口からすぐにある「la kagu」へ。サザビーリーグと新潮社がコラボしたセレクトショップで、ファッションや生活雑貨などがそろいます。

もともと1960年代に建てられた新潮社の書庫でしたが、こちらも隈研吾さんによる設計で2014年にリノベーションを経てオープン。以来、奥神楽坂のランドマークとして親しまれています。

●八百屋に肉屋、神楽坂は個人商店が元気

神楽坂には、豊かな暮らしを求める大人たちが集うとあってか、専門店が充実しているのも特長的なポイントかもしれません。

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「たとえば、行列ができるお肉屋さんで知られる『大野屋牛肉店』や新鮮な地物鮮魚を扱う『魚浅』、約3坪の店舗に全国からセレクトした自然栽培・有機栽培の野菜を並べる八百屋『瑞花(すいか)』など、個人商店ならではのこだわりを放つお店が点在しています」(石丸さん)

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こちらは神楽坂駅前の地域密着型スーパー「KIMURAYA」。明治時代に創業したというから驚き。定期的に開催される朝市では生鮮食品が破格で手に入る模様。インスタグラムをのぞいてみると、酒類部の投稿が盛んで、各国の珍しいワインやビールなど充実しているようです。神楽坂ブランドの清酒や焼酎なども販売しています。

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もう一つのスーパー「SainE よしや 神楽坂店」は、鮮魚バイヤーが九州の漁港で吟味した魚や、三重和牛をはじめとするフレッシュな肉類、産直野菜などを取りそろえています。また、ソムリエが直輸入したワインや、きき酒師が選んだお酒など商品選びを徹底しているようです。

●「食」「音楽」「本」そして「人」、すべてが味わい深い街

神楽坂は都内屈指の美食が集う街でもあります。石丸さんによれば、イタリアンだけでも神楽坂界隈で50軒近くあるとか。

「ニューオープンのお店でも、ほとんどが十年以上修行したシェフが独立して開店しています。"本物の味"を知っている大人が暮らしているとあって、どんなジャンルの料理も味は確かです」(石丸さん)

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石丸さんに日常使いができそうなヘルシーランチを相談したところ、選んでくれたのは奥神楽坂にある「U-ma Kagurazaka」。

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野菜たっぷりのヴィーガンランチは、手作りの優しい味わい。食材のおいしさを引き出す、丁寧でシンプルな味付けです。

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1階はライブも実施しているカフェ&バー。2階はセッションスペース、3階はキッチンを完備しており、それぞれレンタルスペースとして貸し出しもしています。ちょうどこの日のランチはジャズの生演奏が! 目の前で楽器の音色を堪能できるとは、贅沢このうえないひとときです。

また、神楽坂らしからぬ(?)意外なライブハウスも。

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「神楽坂には、ヘヴィ・メタルやハードロックの有名バンドを輩出してきたメタルの聖地『EXPLOSION』があります。X JAPAN(当時は『X』)やGLAYもここでライブをしていたそうです。意外ですよね」(石丸さん)

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お腹も満たされたところで次に向かったのは、こちらも神楽坂駅からすぐのところにある書店&カフェ「神楽坂モノガタリ」。

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フリーランス書店員である久禮亮太(くれ・りょうた)さんが選書を担当しており、新刊や既刊あわせて約4000冊の本があります。

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「置かれているのは、よく耳にするタイトルの書籍からマニアックで重厚な専門書、アートな写真集まで多種多様。神楽坂モノガタリの本の並び方を見ていると、明確にジャンルで分かれていないからこそ、好奇心の赴くまま本探しに没頭できます。のんびり過ごしたい休日にこっそり足を運びたい、秘密基地のような書店です」(石丸さん)

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昼下がりに差し掛かったところで、コーヒーでちょっとひと息。石丸さんが案内してくれたのは、奥神楽坂にある「swing by coffee」。珈琲豆焙煎所で経験を積んだオーナー店長・成田雄太さんと、手作りの焼き菓子をマルシェなどで販売してきた裕紀子さん、夫婦二人で営むコーヒーショップです。

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アイスカフェラテ430円、ハンドドリップ350円

無垢の木に包まれた温もりを感じる店内は、ゆったりとした時間が流れています。コーヒーは、エチオピアやグアテマラ、ケニアなどから、しっかりと目利きして選んだ豆を焙煎。芳醇なアロマが口の中に広がります。

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「"ふらっと立ち寄る"を意味する『swing by』を店名につけたのは、気軽に寄り道してほしいという想いからです。散歩の途中や買い物の帰り道など、おいしいコーヒーが飲みたいと思ったときには、ぜひ訪れてもらいたいです」(成田雄太さん)

気さくなご夫婦との会話も楽しみの一つ。ちなみに、裕紀子さんは生粋の神楽坂育ち。地域に精通しているとあって、おすすめスポットや神楽坂にまつわる話に花が咲きそうです。

●一日の最後はブックラバーたちが足しげく通う大人の集い場で

日も暮れてきたところで、最後に訪れたのは「BOOK & BAR 余白」。

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カウンター9席のこじんまりとした店ながらも、壁には1600冊近くの本がぎっしり。すべて店主の根井浩一さんの私物だそうで、大江健三郎から村上春樹など著名な作家の作品をはじめ、ノンフィクションや映画、アート、コミックまでバラエティに富んでいます。

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なお、本の閲覧は自由。この日も、おひとりさまの女性客が、書棚を眺めた後に『食堂かたつむり』(小川糸著)を手に取り、読書にふけっていた姿が印象的でした。一人で本を堪能するもよし、根井さん夫妻や常連との会話を満喫するもよし、思い思いのくつろぎ方ができます。

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聞けば、根井さんは出版社「平凡社」で25年間勤務した本のスペシャリスト。

「神楽坂は出版社や印刷所がたくさんあるので、本を中心に人が集まります。ここで、お酒を楽しみながら本を楽しめるようなお店があればと、妻と二人で店を始めることにしました」(根井さん)

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「小布施ワイナリー」のグラスワインと「明太子のオムレツ」

神楽坂について、「多様性を受け入れミックスすることで、カルチャーを創り上げてきた街」と語る根井さん。まさに、「余白」もブックバーから新たなコミュニティと文化を生みだしそうな予感を抱くスポットです。

最後に、石丸さんの奥神楽坂の魅力を聞いてみました。

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生活に寄り添った『奥』は、ちょうどいま進化しているエリアだと思います。ここ数年で、個人店や現代アートのギャラリーが増えました。一見ひっそりとした住宅街が広がっていますが、今回ご紹介したようなこだわりのショップが続々とオープンしています。暮らしの中で訪れる場所の選択肢がたくさんあることが、奥神楽坂ならではの豊かさではないでしょうか」

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取材・執筆:末吉陽子
編集者・ライター。1985年、千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒。コラムやインタビュー記事の執筆を中心に活動。ジャンルは、社会問題から恋愛、住宅からガイドブックまで多岐にわたる。
http://yokosueyoshi.jimdo.com/

記事編集:有限会社ノオト

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