木更津市の地価は7.9%増、川口は10.9%増! ここ数年で地価が爆上げしているエリアとその理由は?

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近年、都心部を中心に地価が上昇しているが、なかでも急激な伸びを見せているエリアがある。たとえば、神奈川県相模原市内に位置する「橋本」。10年後にリニア中央新幹線の駅が開業することが予定されていて、周辺の地価が年々高騰している。
では、リニアが開通する橋本以外にも、何らかの理由で地価が高騰している注目タウンはあるのだろうか?不動産市場に精通する専門家に聞いた。

●橋本の高騰はリニア+再開発による期待感

お話を伺ったのは、ニッセイ基礎研究所・金融研究部の吉田資氏。国内の不動産市場および、不動産金融に関する調査・研究を行っている。

まずは、冒頭の橋本について。地価上昇の背景は、リニアだけではないようだ。

吉田氏「橋本の地価が急騰しているのは、ご存知の通りリニア関連でのまちづくりが進み、計画が具体化してきたからです。加えて、神奈川県では『さがみロボット産業特区』という生活支援ロボットの実用化や普及を促進するとともに、行政が関連企業の集積を進めています。このように行政がしっかりとしたまちづくりのビジョンを掲げ、実現してきている地域には人が集まり、地価が高騰していく傾向があります。同じ神奈川県で言えば、綱島も高騰していますね。というのも、綱島では産官学が連携した『TsunashimaSST』と呼ばれるスマートタウンのまちづくりが進められています。個人的には『第二の武蔵小杉』になる可能性を秘めていると思います」

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行政の明確なビジョンと実現性。これが、地価上昇の鍵を握っているようだ。千葉県、埼玉県でも行政の取り組みにより地価が急騰しているエリアがあるという。

吉田氏「千葉県では木更津市が7.9%増、君津市が7.6%増と大幅な伸び率を示しています。地価はアクアラインの開通で都心へのアクセスが容易になったことで、2012年に『三井アウトレットパーク木更津』、2014年には『イオンモール木更津』といった商業施設が誕生しました。それに伴い、宅地開発も盛んになったことが地価上昇につながっています。また、埼玉県では今年に入って川口の地価が10.9%増と驚異的に伸びていました。おそらく都心へのアクセスの良さ、そして駅東口の再開発による住宅地や商業施設などの大規模な整備が要因だと思います」

いずれにしても郊外の急上昇タウンに共通しているのは、行政の取り組みによって生活利便性が大きく向上した地域。その期待感が大きいほど、地価に影響を与えやすいようだ。

●東京都の地価高騰のポイントは、再開発と希少性

また、東京23区内にも注目のエリアがある。

吉田氏「先ほど挙げた三県の地域と同じ理由で、東京都北区も注目されています。例えば、赤羽は、『パルロード赤羽』と命名された再開発事業が長きに渡って進められ、駅前には多くの商業施設も立ち並んでいます。さらに、昭和37年に都内初の大規模団地として建設された『ヌーヴェル赤羽台』も建て替えが進められています。また、足立区の綾瀬や北千住などの街も綺麗に整備され、地価は年々上昇しているんです。昔であれば、23区内にも優劣があったかと思います。しかし、今では東京都に多くの地方の方が流入してきていますよね? そのため、良い意味で区に先入観を持たず、都心までの交通利便性や生活のしやすさで選ぶ人が増えているんだと思いますよ」

一方で、世田谷区や港区の人気も依然として底堅く、こちらも年々、上昇傾向にあるようだ。

吉田氏「東京都に限っては、あまり開発がされずとも毎年高騰している地域があります。たとえば、二子玉川。確かに駅周辺の再開発で注目を浴びましたが、住宅地はほとんど手がつけられていません。もともと閑静な戸建てエリアですからね。また、港区も街として十分に発展・成熟しているため、特に大きな開発はない。これらの街はもともと人気度や交通利便性が高く、再開発されていないからこその希少性の高さが高騰の原因だと思います」

●これからの伸びしろが期待できる地方都市

なお、一都三県以外の地方都市にも「インフレタウン」は存在すると吉田氏。

吉田氏「福岡県では箱崎、六本松辺りが高騰しています。これは九州大学のキャンパス跡地一帯に複合商業施設『六本松421』が誕生するなど、都市としての基盤が強化されてきたからです。また、宮城県仙台市若林区も注目ですね。2015年に開通した地下鉄東西線は、仙台市都心部を経由するだけでなく、仙台駅で南北線やJR線に乗り換えることができます。さらに、若林区には多業種の企業が集まる卸町エリアがあり、新しく卸町駅が開業することも地価上昇につながっていると思います」

なお、京都市内では中京区、広島市内では南区などの地価が10%近く上昇している。一般的に人口が減少傾向にある地方都市だが、インフラが整備されつつ、政令市の中心部からの人口流入が望める地域は上昇傾向にあるようだ。

●インフレタウンの「寿命」ははいつまで続く?

では、これらの街の価格上昇はいつまで続くのだろうか?

吉田氏「地価が落ち着くのは再開発が終了し、街開きした頃でしょう。ただ、現在はどこの地域もオリンピックに向けて道路や建物を整備しているので、やはり2020年が1つの目処だと思います。専門家の中では、2019年と予想される方が多いのですが、2020年以降も再開発が進むところは地価も上がっていくでしょうね」

また、郊外では都心への近さがポイントだという。地価公示では都心に近く、最寄り駅に近いエリアの方が地価の上昇率は高い傾向が見られる。都心に関しては、これからも人口流入は続く見通しのため、再開発が進み、街として成熟するか否かがポイントとなってくるようだ。

吉田氏「それから移住者の多い沖縄県では、浦添市や宜野湾市、那覇周辺などの人気エリアは沖縄県民の方でもすでに高くて手が出せないらしいです。さらに沖縄は2020年までに2000億をかけて那覇空港の新滑走路を増設するなど、観光事業も盛んです。人口増加が見込まれる沖縄県はこれからも強いかと思います。また、北海道の倶知安町(くっちゃんちょう)などニセコ周辺もインバウンドの需要がとても大きいですね。まだまだ外国人観光客は増えると言われているので、この好況がどこまで続くのかわかりません」

将来、転勤などでマンションを売却・あるいは賃貸に回す可能性を見据えると、エリアの将来性についてもある程度は考慮したいところ。上記のポイントをふまえ、検討してみてはいかがだろうか?

取材・文:小野洋平(やじろべえ)

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